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留学生の就職活動と就労ビザ |
私は今期はじめて、新卒で留学生を採用した企業の人事責任者です。留学ビザから就労ビザへの入国管理局でのビザ変更手続は、留学生本人に任せていたのですが、このままでは、不許可になってしまいそうです。当社の将来を担う人材として採用を決めたので、困ってしまっています。 |
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最近では、大学等での留学生向けの就職ガイダンス等でも、たとえ「内定」をもらっても、就労ビザを取得できない留学生が多数いるとい うことを説明して、注意を喚起していることが少なくないようです。特に、新しい会社や中小企業など、留学生を採用した経験が少ない会社では、会社側にビザに関わる経験が乏しく、留学生側もビザに関する知識が不十分であり、このような悲劇が起きてしまっています。
大学等での専攻内容と就職しようとする企業での職務内容が関係していないことも、就労ビザを許可されない原因の1つになります。
はじめて留学生を採用した企業などでは、これまで、新卒の日本人学生を採用してきた感覚で、そのまま外国人の留学生も同一に捉えてしまいがちなのですが、外国人の留学生の場合、“ビザ”という大きな壁があり、これを越えなければ、たとえ当事者同士で、雇用契約を締結したとしても、会社で働くことはできません。そして、この“ビザ”という壁を越えるためには、形式的な資料を準備したり、内定を出せばよいという簡単なものではなく、入国管理局での厳しい審査をクリアできたもののみが、はじめて許可を得られるのです。
このことは、会社の大小に関わらず、あてはまります。誰もが知っている超一流企業であれば、必ず入国管理局での審査をクリアして、許可されるというものではありません。どんなに大企業であったとしても、入国管理局での審査をクリアできなければ不許可になります。逆に、どんなに小さな会社であっても、新設の会社であっても、きちんと立証できれば、許可を受けることができます。これまでに、私たちの事務所で扱ってきた案件で、1〜2ヵ月前に設立したばかりの新設会社、しかも、従業員は、社長様のほかには、採用した留学生1名だけ、全部で2名という会社がありましたが、このような規模・社歴の会社でも、きちんと立証していくことで、許可を受けました。
留学生や企業の人事担当者の中には、就職が決まりさえすれば、就労ビザが許可されると勘違いされている方が少なからずいらっしゃいます。そのため、毎年、就労ビザへの変更申請手続で、不許可となり、留学生側にとっても、雇用企業側にとっても、大きな悲劇が起きています。
このような悲劇が起こらないためには、採用内定が決まった段階で、早い時期に、専門家に相談することが賢明です。就労ビザ申請手続に 、何も問題がなく、手続自体も簡単な事案であれば、その後の手続は、安心して、ご自身で行えばよいのです。反対に、問題があるようなら、卒業までに十分な時間があれば、行政書士から助言・指導を受けながら、その問題をクリアするために、準備・対策を行うことが可能なケースもたくさんあるのです。
では、どのような行政書士でも、依頼してよいかと言えば、そうではありません。各行政書士の能力には大きな差がありますし、このよう な難易度の高い案件は、依頼した行政書士の能力に直結しています。誰でも許可を取れる簡単な案件は別としても、やはり能力の高い行政書士に依頼するかどうかで、結果は大きく変わってしまいます。
個別の案件については、各人が、どのような資料を準備したり、どのように立証していくか、自分で考え、判断して、申請書類を作成していかなければなりません。入国管理局で、個別の案件について、どのような資料を収集し、どのような事実を立証していく必要があるか、助言・指導をすることはありません。
これから、どのような手続を進めていけばよいか、個別の案件については、まずは、専門家にご相談されるのが、よろしいのではないかと思われます。私たちの事務所では、一般的なケースで、2〜3時間くらい掛けて、これから必要な手続や申請方針などを具体的に検討していきます。 |
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