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行政書士の選び方
                       
インターネット上で検索すると、ビザを取り扱う行政書士事務所のホームページがたくさんあり過ぎて、”どの事務所を選べばよいか分からない”という声をよく聞きます。行政書士に依頼する目的(動機)として、最も一般的であるのは、”安心と信頼を得たい”ということですので、この点にポイントを定めて、行政書士の選び方をお話します。
問い合わせに、先生が対応してくれるか?

電話やメールで問い合わせをしたとき、すべて事務員が対応している事務所があります。たしかに、「料金」とか「事務所の道案内」などは、何も問題はありませんが、個別具体的な事案の中身であったり、法的な判断を要する場面にも、平気で、事務員が受け答えをしていることが少なくありません。他の事務所で聞いたという話など、思わず、「それは、本当に、行政書士の事務所で、行政書士の先生が受け答えているのですか?」と聞き返してしまうくらいです。やはり、問い合わせの際は、「事務員さんではなく、先生と話がしたい」とリクエストしてみるのがよいです。頼んでも、先生が応対してくれない事務所は、何か問題がある事務所の可能性もあります。

 
先生の実務経験が少なく、正しい助言・指導ができない

最近は、全く実務経験がない新人先生でも、ホームページを公表して、あたかも経験豊富な様子でアピールしている事務所が少なからずあります。自分自身のレベルを超える依頼を受けて、取り返しのつかない問題を引き起こしていることも稀ではありません。このことは、行政書士会でも問題を把握しており、議論されているのですが、行政書士会として規制するべきか?その方法は?程度は?など、難しい問題が山積みです。


ここでは、このような議論の行き先を見守っていても始まりませんので、1つの目安として有効な方法をご紹介します。その先生が、行政書士登録したのは、何年何月で、実務経験が、どれ位あるのかを簡単に調べる方法があります。日本行政書士会連合会のホームページには、会員検索システムが提供されています。このシステムを利用することで、その先生の行政書士登録年月日を調べることができますので、行政書士としての実務経験がどのくらいあるのか、簡単に知ることができます。このシステムでは、他に、所属行政書士会や事務所所在地なども調べることができます。

日本行政書士会連合会ホームページ
 
「許可される見込みがない」、「絶対に許可されます」!?

電話やメールで問い合わせをしたとき、行政書士事務所の中には、たとえば、(1)「ほとんど許可される見込みはありません」などのように、ネガティブ(マイナス)情報ばかりを言われることがあります。また逆に、(2)「絶対大丈夫、必ず許可されます」など、良いことばかりを言われることがあります。(1)は、新人や実務経験の乏しい先生で、自信のないタイプ。自信がないので、とりあえずダメと言っておけば、トラブルになることは無いと言い逃れをする事務所です。(2)は、仕事が無く、とにかく、何でもかんでも仕事を取り込もうとするタイプ。このタイプで悪質なのは、着手金目当て、着手金を受け取ったら、あとは、そのまま放置しておくだけです。もともと能力が無いから仕事が来ない、そもそも、依頼者の期待に応えるだけの能力が備わっていないので、そのまま放置してしまいます。


いずれにしても、この両タイプとも、十分な能力が備わっていない事務所で、依頼者の期待に応えることができない可能性が高いです。電話やメールで問い合わせを受けて、5分や10分くらいで、「許可される見込みがない」とか、「絶対に許可されます」とか、そのようなことを判断することはできません。仮に、そのような即答ができるならば、入管の審査に、これだけ多くの立証資料を提出する必要もなく、審査に、これだけ多くの時間が掛ることもないのです。

 
先生が、最後まで対応してくれますか?

問い合わせの後、いざ事務所を訪問して、ビザ相談を受けようとすると、行政書士事務所の中には、先生ではなくて、事務員が相談に応じる場合もあります。そのような事務所は論外ですが、中には、初回の相談は、行政書士の先生が対応して、次回からは、事務員が担当するということも少なくありません。事務員とまではいかなくても、実務経験が豊富な能力のあるベテラン先生は初回だけで、以降は、新人の見習い行政書士が担当するということも、珍しくありません。


以前に、私たちの事務所にご依頼をいただいたお客様で、いわゆる”大手”と呼ばれるビザ申請を専門に扱っている行政書士事務所に、仕事上の関係で馴染みがあり、その事務所のことをよくご存知の方がいらっしゃいました。当然、私たちとしては、その馴染みの行政書士事務所に依頼をせずに、私たちの事務所に相談し、依頼をされるのか、とても関心がありました。そのお客様いわく、「たしかに、”大手”ですし、先生もスタッフもたくさんいます、クライアントもたくさん抱えています。しかし、だからこそ、膨大な案件の1つとして処理されて、所長先生が最後まで見守ってくれるわけでもなく、担当者も事務員か、せいぜい新人先生、それで、その担当者さえ、事務所の都合で、途中で交替することもある、そのような事務所では安心できない、そうではなくて、最初から最後まで、同じ先生に、きちんと見守ってもらいたい」とのお話でした。やはり、最初から最後まで、実務経験が豊富な能力のあるベテラン先生が担当してくれるということは、重要な要素です。

 
相談は、無料か有料か!?

最後に、相談は、無料か有料か。これは、とても難しいです、というのは、無料で相談を受けられるなら、それに越したことはありませんし、実際に、無料で相談を受けている事務所も存在します。私たちの事務所でも、かつて無料相談を実施したことがありますが、すぐに中止しました。無料相談を受け付けるようにすると、捌ききれないほどたくさんの相談者の方から予約があり、事務所に殺到されました。そして、その相談の多くは、ほとんど深刻ではないものばかりで、中には、ジュースやお菓子を買って来て、休日の暇つぶしに、おしゃべりにやって来るという方もいらっしゃいました。私たちの事務所では、代表者の先生が、全ての相談に対応していますので、これでは、本当に、先生に相談したいという方の相談をお受けすることができなくなってしまい、無料相談は、すぐに取り止めにしました。


このような経験からすると、無料相談を実施している事務所というのは、(1)新人や実務経験の乏しい先生が、練習の場としている、(2)相談とは名ばかりで、依頼を受けるための営業の場としている、という2つの場合が考えられます。(1)は、有料相談をするだけの自身がなく、助言・発言に対して責任を持たない代わりに、無料としている。(2)は、まさに営業の場ですから、真摯に、相談者にとって、最適な方法をアドバイスしているだけではありません。(1)、(2)とも、まさに、タダより高いものは無いという言葉のとおりのように感じます。これに対して、有料相談は、相談という専門能力を提供する対価として、相談料を受けているので、相談業務として、1つに完結しています。事務所にとっても、相談料という満足を得られますので、相談者のために、真摯に、最適なアドバイスを提供することができます。私たちの結論としては、お客様のためにも、有料相談が優れていると考えています。

 
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