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上陸特別許可と上陸拒否の特例 |
私は中東出身の夫を持つ女性です。夫は、薬物事犯で懲役6年の刑を受け、服役しています。出所後、夫は、強制送還されると言われています。強制送還されると、夫は、もう2度と、日本に戻ってくることができなくなってしまうのでしょうか。 |
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外国人が日本に上陸するための条件の1つとして、入管法5条1項の各号のいずれにも該当しないことが必要になります。この入管法5条1項の各号のことを“上陸拒否事由”といいます。また、麻薬等の薬物の取締りに関する法令に違反して、刑に処せられたことのある者は、この上陸拒否事由に該当します。
そして、このような前科等を理由とする場合には、終身の上陸拒否事由該当者となります。
では、このように終身の上陸拒否事由該当者になってしまうと、絶対に、将来にわたり永遠に、上陸(来日)することができないのかと言えば、必ずしも、絶対に、そうとまでは言えません。上陸拒否事由該当者であっても、“上陸特別許可”と“上陸拒否の特例”という2つの方法のいずれかにより、上陸(来日)できる途はまだ残されています。
(1)上陸特別許可(入管法12条1項3号)
法務大臣が、特別に上陸を許可すべき事情があると認める場合
(2)上陸拒否の特例(入管法5条の2)
特定の上陸拒否事由に該当するときでも、一定の場合には、上陸を拒否しないことができる
(1)については、上陸時に、特別審理官による口頭審理を経て、法務大臣の裁決に当たり、上陸特別許可を得ることができれば、上陸することができます。(2)については、在留資格認定証明書を交付されたり、査証事前協議により査証発給を受けたときであって、上陸拒否の特例が適用される場合には、上陸できる余地があります。
このようなケースでは、上陸拒否事由に該当する事実や上陸する必要性、過去の在留状況から現在に至るまでの経緯や事情等を詳しく検討することによって、上陸が許可される可能性を個別的に判断していくことになりますが、これには、高度な専門知識や事案を分析する能力が求められるため、やはり、ご本人で判断して、本人のみで手続を進めていくには、どうしても難しいです。
では、どのような行政書士でも、依頼してよいかと言えば、そうではありません。各行政書士の能力には大きな差がありますし、このような難易度の高い案件は、依頼した行政書士の能力に直結しています。誰でも許可を取れる簡単な案件は別としても、やはり能力の高い行政書士に依頼するかどうかで、結果は大きく変わってしまいます。
個別の案件については、各人が、どのような資料を準備したり、どのように立証していくか、自分で考え、判断して、提出書類を作成していかなければなりません。入国管理局で、個別の案件について、どのような資料を収集し、どのような事実を立証していく必要があるか、助言・指導をすることはありません。
これから、どのような手続を進めていけばよいか、個別の案件については、まずは、専門家にご相談されるのが、よろしいのではないかと思われます。私たちの事務所では、一般的なケースで、2〜3時間くらい掛けて、これから必要な手続や方針などを具体的に検討していきます。
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相談方法とご依頼までの案内 >> 相談方法とご依頼までの流れ
上陸拒否事由の案内 >> 不法滞在と手続Q1.(上陸拒否事由)
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査証事前協議制度の案内 >> 査証事前協議 |
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